【スマホ史・後編】4G、巨大化、価格高騰。「魔法」がただの「生活必需品」になるまで。

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こんばんは。kinystaです。

今日は2026年1月9日、金曜日。 時刻は21時を回りました。 一週間、お疲れ様でした。 関東地方特有の「からっ風」に吹かれながら帰宅し、ようやく暖かい部屋でビール(発泡酒)を開けたところです。

今朝の記事(前編)では、19年前の今日、スティーブ・ジョブズがiPhoneを発表した衝撃と、私が時代の波に乗り遅れて「全部入りガラケー」を買ってしまった悲劇についてお話ししました。

【スマホ史・前編】19年前の今日、iPhone爆誕。世界最強だった「ガラケー」が支配していた時代。
1月9日はiPhone発表の日。ガラケー全盛期からiPhone上陸、そして私が犯した「ガジェット選びの失敗」まで。スマホの歴史を振り返る前編。

しかし、物語はそこで終わりません。 むしろ、そこからが本当の「激動」の始まりでした。

通信速度の劇的な向上、SNSによるコミュニケーションの変容、カメラの多眼化、そして端末価格のインフレ。 今夜は、スマホが単なる「便利な道具」から、私たちの「臓器の一部」へと進化し、そして少しだけ退屈な存在になるまでの歴史を振り返ります。

そして、私がガラケーの次に選んだスマホで、「二度目の敗北」を喫した話も供養させてください。

第6章:2010年代前半、「アプリ」と「LINE」の革命

ガラケーからスマホへの移行期、最も大きな変化は「通信速度」でも「画面サイズ」でもありませんでした。 それは「アプリ」という概念の爆発です。

「センター問い合わせ」の終焉

ガラケー時代、私たちは「メールが来ているかな?」と確認するために、物理ボタンを押して「センター問い合わせ」をしていました。 しかし、スマホ時代に入り、「LINE」が登場しました(2011年)。

これが全てを変えました。 キャリアメールの呪縛から解き放たれ、電話番号を知らなくてもIDで繋がれる。 スタンプ一つで感情を伝え、既読機能で相手の生存を確認する。 コミュニケーションの速度が、劇的に加速したのです。

同時期に「パズドラ(パズル&ドラゴンズ)」などのソーシャルゲームも爆発的に普及。 電車の中で、誰もが下を向いて指をくるくる回す光景が日常になりました。 この頃から、スマホは「電話機」ではなく「暇つぶしの万能ツール」としての地位を確立しました。

第7章:kinystaの「二度目の選択ミス」

さて、ここで私の個人的な黒歴史を挟みます。 2011年頃、世の中はiPhone 4SやGalaxy S2で盛り上がっていました。 かつてガラケーを選んで後悔した私も、ついにスマホデビューを決意しました。

「今度こそ、最先端を行くんだ」 「人と同じiPhoneじゃつまらない。もっと知的で、ビジネスに強いやつ……」

そんな私が電気屋で一目惚れして買ったのは、iPhoneでもAndroidでもありませんでした。 それは、「Windows Phone(IS12T)」です。

覚えている方、いらっしゃいますか? 鮮やかなイエローのボディ。 ホーム画面に四角いタイルが並ぶ、モダンでクールなUI。 「これからはPCとの連携だ! Microsoftこそが覇権を握る!」

私はそう信じていました。 しかし、現実は非情でした。

  • アプリがない: 有名なアプリがことごとく「Windows Phone非対応」。
  • LINEが使いにくい: 機能が制限されており、通知も遅い。
  • アクセサリーがない: ケース売り場に行っても、私のスマホ用のケースだけ売っていない。

周りがパズドラで盛り上がっている時、私は一人、美しく動くけれど何もすることがないタイル画面を虚しくスクロールしていました。 「OS選び」という、スマホ時代特有の落とし穴に、私は見事にハマったのです。

第8章:2010年代中盤、画面の「巨大化」と「カメラ戦争」

2014年、iPhone 6 / 6 Plusが登場しました。 これは一つの転換点でした。 かつてジョブズは「3.5インチが片手操作に最適だ」と言いましたが、市場はそれを否定し、「大画面化(ファブレット化)」へと舵を切ったのです。

理由は明白。スマホで「動画」を見るようになったからです。 YouTube、Netflix、そしてTikTok。 4G(LTE)の普及により、外でも動画がサクサク見られるようになり、スマホは「テレビ」や「映画館」の役割も奪い取りました。

「映え」が支配する世界

そして、カメラの進化。 Instagramの流行とともに、「写真の綺麗さ」がスマホ選びの最重要基準になりました。 レンズが1つから2つ、3つへと増殖し、背面がタピオカのように集合体恐怖症を刺激するデザインになっても、私たちは画質を求めました。

「コンデジ(コンパクトデジカメ)」は駆逐され、私たちは「現実の景色」よりも「画面越しの補正された景色」を美しいと感じるようになりました。

第9章:2019年〜、価格高騰と「コモディティ化」の憂鬱

2010年代後半から2020年代にかけて、スマホ業界には重たい空気が漂い始めました。 「進化の停滞(コモディティ化)」です。

どのメーカーのスマホも、正面から見ればただの「黒い板」。 性能は上がり続けましたが、体感速度は頭打ち。 「新しいiPhoneが出た!」と言われても、「カメラが少し良くなっただけ?」という反応が増えました。

「10万円の壁」の崩壊

一方で、価格は天井知らずに上がっていきました。 かつて「実質0円」で配られていたスマホが、気づけば10万円、15万円、上位モデルは20万円超え。 円安の影響もあり、もはや「高級家電」です。

私が先日書いた「一括1円は消えたのか?」という記事の通り、私たちは端末を「買う」のではなく「レンタル」して凌ぐ時代に突入しました。 熱狂は去り、スマホは「あって当たり前、ないと死ぬ、でも高い」という、電気・ガス・水道に続く「第四のインフラ兼・年貢」となったのです。

第10章:2026年の現在地、そして未来へ

そして今、2026年。 スマホはどうなったでしょうか。

今朝の記事で触れた「指紋認証」のトラブル。 画面内指紋認証は進化しましたが、私の乾燥した指には相変わらず厳しいままです。

しかし、中身は「AI(人工知能)」によって劇的に変わろうとしています。 オンデバイスAIが搭載され、通訳も、メールの要約も、画像の生成も、スマホの中で完結する時代。 もはや私たちが操作するのではなく、スマホが私たちの意図を汲んで「先回り」する。 そんな「執事」のような存在になりつつあります。

折りたたみスマホの普及

街を見渡せば、パカッと開く「フォルダブル(折りたたみ)スマホ」を使っている人も増えました。 かつてのガラケーのような「開閉のギミック」が、最新技術として蘇ったのは皮肉な歴史の循環です。

結論:スマホは私自身である

19年前の今日、ジョブズが世界を変えてから、私たちは長い旅をしてきました。 ガラケーの物理キーに未練を感じ、Windows Phoneのタイルに夢を見て散り、今は高額なiPhoneの支払いに追われる日々。

私の手元にあるスマホは、傷だらけで、バッテリーもへたっています。 しかし、そこには私の10年分の写真、言葉、検索履歴、人間関係が詰まっています。

スマホの歴史。 それは、テクノロジーの進化史であると同時に、それを使って泣き、笑い、迷走してきた、私たち自身の「人生のログ(記録)」そのものなのかもしれません。

……まあ、そんな綺麗な言葉でまとめてみましたが、正直に言えば、「昔の端末代0円時代に戻ってくれ!」というのが本音です。 15万円は高すぎます。私の給料は2007年からそんなに上がっていないのですから。

さて、夜も更けてきました。 スマホのブルーライトを浴びすぎて目が冴えてしまいましたが、明日は土曜日。 布団の中で、意味もなくショート動画をスワイプし続ける「現代の儀式」を行いながら、眠りにつこうと思います。

19年前のジョブズへ。 素敵な、そして少し厄介な発明をありがとう。

おやすみなさい。

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